このコンテンツでは、国語の読解問題においての「本文を読む時に意識しておきたいこと」をまとめています。
読解問題が苦手なお子さんは、「なんとなく」本文を読んでいるケースが多くあります。
このコンテンツをきっかけに、「本文の読み方」を見直してみましょう。
その文章が存在している意味は?
この世の中に存在している文章には意味があります。
ノートに書かれた落書きですら、「暇つぶしのため」、「気分を晴らすため」などの理由が考えられますよね。
ことさら中学受験の入試問題で出題される本文ともなれば、もっと大きな意味がありそうです。
まず、中学受験の入試問題で出題される本文は、市販されている書籍からの抜粋での出題がほとんどです。
その書籍が存在している意味は
読み手(読者)に何かを伝えるために書かれています。
この「何か」は、説明文や論説文、物語文、随筆によって異なりますし、また書かれている中身でも変わってきます。
ですが、大きな前提として、伝えるために存在しているのです。
また、入試問題の場合、多くの学校は「求める生徒像」に合わせた本文を出題する傾向があります。
国語の読解問題を通して、学校の意図を理解しているかを試しているのですね。
ですから、過去問を使って、どのような本文が出題されているのかを見ておくことも重要になります。
2018年度 灘中学校(1日目)
何を伝えることが目的なのか
本文は、筆者が読み手(読者)に何かを伝えるために書いたものでしたね。
その本文の中には、大切な部分とそこまで大切ではない部分があります。
しかしながら、読解が苦手なお子さんは、この区別がなかなかつけることができません。
もちろん、一番大切な部分になるところは「筆者が読み手に何が伝えたいのか」です。
これは、直接書いてある場合もありますし、書かれていない場合もあります。
書かれていない場合は、本文を読んで類推していきます。
ここでは、それぞれの文章の特徴と筆者が伝えたいことをまとめていきます。
説明文
筆者が読者に何かを説明するために書いた文章です。
説明文の特徴
説明文は、見知らぬ誰かに説明をするための文ですから、比較的分かりやすくかかれているということが特徴となります。
主な構成は、「前おき→詳しい説明→まとめ」となっています。
何を伝えたいか
もちろん、話題についての説明となります。
説明文を読む時に意識しておきたいことは以下の3点
- 前おきで話題をおさえる
- 詳しい説明で大体の内容をつかむ
- まとめは筆者が一番伝えたいことが書かれている場合が多い
論説文
筆者の意見や主張を読者に理解してもらうために書いた文章です。
論説文の特徴
論説文は、筆者の意見や主張が書かれた文章なので、筆者の考えが一番分かりやすい文章であることが特徴となります。
主な構成は、「序論(話題や問題の提起)→本論(理由や具体例など)→結論(まとめ)」となっています。
何を伝えたいか
もちろん、一番伝えたいことは筆者の意見や主張となります。
論説文を読む時に意識しておきたいことは以下の3点
- 序論で筆者の意見や主張をつかむ
- 本論でなぜ筆者がそのように思うのかをつかむ
- 結論は、筆者が最も言いたいことがまとめられている場合が多い
物語
作者が読者に人間の生き方について考えさせるために書いた文章です。
物語の特徴
物語の基本は、場面(いつ、どこで)・人物(だれが)・事件(どうして、どうなった)の三要素を元に作られていることが特徴となります。
主な構成は、「発端(起)→展開(承)→山場(転)→終結(結)」となっています。
何を伝えたいか
物語において、作者が一番伝えたいことは感動です。
感動を通して人間の生き方について改めて考えて欲しいという願いがあります。
物語を読む時に意識しておきたいことは以下の3点
- 場面(いつ、どこで)をはっきりさせる
- 人物(特に主人公)の言動や表情、情景などから心情を読み取る
- なぜ、その心情になったのか。その理由(事件)をおさえる
随筆
筆者が体験したことや見聞きしたことを自分の意見や感想をまじえながら自由に書かれた文章です。
随筆の特徴
随筆は、一番自由度が高い文章です。ですから、筆者の個性が最もよく表現されます。
また、随筆は論説文と物語の中間の文章であると考えておくと良いです。
意見の部分が中心で書かれていれば論説文に近くなりますし、体験の部分が中心で書かれていれば物語に近くなります。
主な構成は、「体験→意見・感想」となっています。
何を伝えたいか
基本は、筆者の意見や感想となります。
随筆を読む時に意識しておきたいことは以下の3点
- 体験が書かれている部分と意見・感想が書かれている部分をはっきりさせる
- 体験を通して感想を持つ時に、どのような気持ちだったのかを考える
- 感想が書かれていない場合(文学的な随筆に多い)は、体験の部分から類推する
まとめ
入試問題で出題される本文は、読み手(読者)に何かを伝えるために書かれています。
それは文章によって様々ですが、基本的に問題作成者は、その筆者や作者の伝えたいことに共感し、問題を作成します。
読解問題は様々な問題が出題されます。
ですが、その核となる部分は、筆者や作者の伝えたいことを読み取ることです。
それをすることで、まず問題作成者と同じ土俵に立つことが大切です。
結局、その本文で筆者・作者は何を伝えたいのか。
まずは、これを意識しながら読んでいくようにしていきましょう。