教育、学習について

心理学を教育に活用する~動機づけの理論~

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お子さまの学習に対する「やる気」で困っていませんか?

 

そんなあなたのために、心理学を使った子どもとの接し方や声かけをテーマとしたコンテンツを作成しました。

最後までご覧いただき、お子さまのやる気を引き出すヒントにしてください。

 

「動機づけ」とは、

ある行動を引き起こし、その行動を維持し、その結果として一定の方向に導く心理過程のことを言います。

簡単に言うと、「やる気」というものです。

 

この動機づけ(やる気)にもいろいろな種類があります。

お子さまの学習の状況を把握するためにはとても重要なものとなりますので、今回はこの動機づけ(やる気)の種類について見ていき、アドバイスを提示していこうと思います。

 

動機づけ(やる気)の種類で、とても分かりやすくまとめられたものがありましたので、これをもとに見ていきたいと思います。

引用:遠藤司「教育心理学」一藝社、2014年

 

上の図を見てください。

右にいけばいくほど、理想的な動機づけ(やる気)となっており、前向きに学習に取り組んだり、成績向上が見込みやすい状態を表しています。

 

ここで、内発的動機づけと外発的動機づけについて簡単に説明をしておきます。

内発的動機づけとは、「勉強が面白いから勉強をする」というような、目的(勉強したい)と手段(勉強する)が一致している状態を指します。

対して、外発的動機づけとは、「将来医者になりたいから勉強する」というような、目的(医者になる)と手段(勉強する)が一致していない状態を指します。

 

では、上図の調整スタイル6種類を見ていきます。

調整なし:いわゆる勉強する動機がない状態。勉強に対してネガティブなイメージが強く、勉強の苦痛>叱られる苦痛 と感じている場合が多い。

外的調整:勉強すること自体に価値を見いだせていない状態。賞罰のような外的要因で学習しているので、その場しのぎの勉強になりやすい。

取り入れ的調整:勉強すること自体の価値は理解しているが、学習よりもテストなどの結果重視の状態。テストのための勉強になりがちなので、テスト後の定着に問題が出やすい。

同一化的調整:勉強すること自体の価値を理解し、積極的に取り組めている状態。勉強が苦痛と感じている場合もある。

統合的調整:勉強すること自体に魅力を感じおり、勉強に取り組みたいと自然に思える状態。

内発的調整:勉強することで欲求が満たされている状態。一番の理想像。

 

小学一年生から勉強を始め、日を追うごとに子どもたちの中で勉強に対するイメージが出来てきます。

そのイメージと上記の動機づけは密接に関わっています。

上図の左側は、勉強に対するイメージがネガティブな傾向が強く、右側は、勉強に対してポジティブなイメージを持っていることが多いのです。

ですから、子どもたちが「勉強=苦痛」と思わないよう、我々大人が言動を気をつけなければいけません。

特に中学受験は、学習する内容が難しく、量も膨大になります。

子どもたちが挫折しやすい環境でもあるので、しっかりとケアをしてあげることが重要ですね。

 

さて、ここからは各調整スタイルでのアドバイスを書きます。

「調整なし」を脱する

勉強に対してネガティブなイメージを持っていることが多いので、それを和らげることが目標となります。

間違っても、勉強の苦痛<叱られる苦痛 となるまで叱りちらすようなことをしてはいけません。

子どもに、勉強することをどう思っているかヒアリングし、それを和らげていくのです。

例えば、「勉強は難しいから嫌い」と思っている子には、出来るところまでさかのぼることが有効です。

「難しい」というイメージを和らげてあげることで、勉強に対するイメージも少しずつ変わっていきます。

 

「外的調整」を脱する

「勉強はしているけれど成績が良くない」という子の多くがここに分類されています。

その場しのぎの勉強で、中々身につかないのです。

そもそも、本人が勉強する価値を理解していないので、勉強する価値を認めさせることが目標となります。

この場合は、本人に「なぜ〇〇の勉強をするんだろう?」と問いかけてみることが有効です。

勉強する意味を考えたことのなかった子は、考える機会を作ることによって価値を見いだす可能性があります。

 

「取り入れ的調整」を脱する

中学受験指導をしていて、一番多く感じるのがこの層です。

「テスト直前に猛勉強する」ような子どもたちです。

結果に一喜一憂し、その結果が次にあまり生かされないことが特徴となります。

目的が「目前の結果重視」となっていることが多いので、その視野を広げてあげることが目標となります。

一番手軽なのは、「オープンキャンパスなどの学校行事」でしょう。憧れの中学校を子どもが持つことによって視野は広がっていきます。

また、子どもとの接し方がすごく重要あります。

親がテスト結果にうるさいと、子どもも「目前のテスト重視」になります。

テストの結果はもちろん大切ですが、それよりも「〇〇中学目指して次もがんばろうね」というような声がけの方が視野は広げやすいでしょう。

 

「同一化的調整」を脱する

ここまで来ると正直脱する必要はありません。

真剣に「将来〇〇になりたいから勉強している」「〇〇中学校に合格するために勉強している」と思っている子どもは成績も比較的上位層にいます。

それだけ「夢を現実にしたい」という思いは強いのです。

ただ、それゆえ無理をしている場合もあるので、子どもの様子をしっかりと見てあげて、時には一緒に出かけるなどしてリフレッシュする時間を作るのも良いかもしれません。

 

「統合的調整」を脱する

「今の自分がよりよくなるために勉強している」というようなお子さんですね。

経験上、中学受験の学習をしているお子さんではあまりいません。

やはり、「〇〇中学合格」という目標が最終目標になっているからだと思います。

「自分自身を高めるために学習をしている」ようなお子さんはそのままがんばりましょう。

また、勉強することによって高まっているという実感が持てるような声がけをしてあげると子どもも安心します。

 

もちろん、人の人格は千差万別なので、子どもそれぞれにベストな対応は違ってきます。

ただ、一つの指針として参考にして頂ければ、幸いです。

 

 

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