前回は「コーチングで自立を促す~心構え~」についてお話ししました。
今回は、「では実際にコーチングをどのように行えばよいか?」という実践的な内容について要点を挙げていこうと思います。
そもそも、コーチングとは
お子さまと対話しながら、子どもの自立を促し、能力を高める対話術
のことでした。
ですから、今回はこの「対話するうえでのポイント」を挙げていきます。
対話するうえでのポイント
<話し方編>
・沈黙
お子さまが予期せぬことを発言した場合(例:塾をやめたいなど)に、すぐに発言することはやめましょう。
そのように発言した原因をおさえて、最善の解決策を見つけることが一番の課題です。
親が発言することによって、子どもが畏縮してしまう可能性があり、本当の原因を捉えることが難しくなります。
少し間をとることを心がけましょう。
そして、その間に話の展開をイメージしておきましょう。
・くり返し
少し間をとったら、「塾やめたいの?」とくり返します。
これをすることによって、子どもに話を聞いていることのアピールと、子ども自身に自分の気持ちを認識させる猶予を与えます。
そして、子どもが話し出すまで待ちましょう。
この後、子どもが話してくれることは本心である可能性がかなり高いです。
・提案
子どもが話した原因について一緒に考えることを提案します。
ただ、解決策は基本的に子どもが考えるようにします。
あくまで親は、子どもが考え、発言することへのサポートをするという姿勢に徹します。
これをすることにより、考える習慣が身につき、自立へと促されていくのです。
・尊重
子どもが考えた解決策はできる限り尊重しましょう。
中には、現実的に難しい解決策や、非人道的な解決策を言い出すかもしれません。
そのような場合も否定するのではなく、出来る限り多くの解決策を考えさせ、子どもに一番良いと思うものを選択してもらいましょう。
その際、選択した解決策を実行した場合、どうなるかについても子ども自身に考えさせるとより良いです。
・励まし
原因を解決するのは子どもです。
ただ、「一緒に解決しよう」という姿勢を持ちましょう。
必ず最後は、子どもを力づけ、見守っていることを伝えましょう。
<聴き方編>
・視線
コーチングだけでなく、普段の会話の時も、子どもが「聴いてほしそう」な話には必ず視線を合わせて聴くようにしましょう。
同じ相づちであっても、視線を合わせている場合と合わせていない場合とでは、相手に与える印象は大きく異なります。
・表情
話を聴く時は、どんな話の内容であれ、やわらかい表情を意識しましょう。
やわらかい表情は相手に安心感を与え、本音を引き出しやすくなります。
・身ぶり、手ぶり
大げさにやる必要はありません。
ただ、腕を組みながら話を聴いたり、足を組みながら話を聴くことは、威圧感を与えるので気をつけましょう。
・声
声は臨機応変に変えます。
相手の気持ちにあった表現にしましょう。
相手がうれしそうな場合は、こちらもうれしそうに。悲しそうな場合は、こちらも悲しそうに。
ベースは声の表現を相手の気持ちとシンクロさせ、安心感や共感を得ましょう。
何度も書いていますが、コーチングとは
お子さまと対話しながら、子どもの自立を促し、能力を高める対話術
のことでしたが、根本は相手を安心させ、本音を聞き出し、自己解決を促す聴き方をすることです。
基本的にこちら側はあまりしゃべりません。
子どもが現状の問題に改めて気づき、考え、解決していくことをサポートするのが最大の役割となります。
あくまで、子どもが主役であり、我々はその主役を引き立たせる脇役のような対話がイメージかもしれません。
コーチングを意識した対話を行っていくと、お子さまが段々と変化していくのがわかると思います。
お子さまがより良く成長していけるよう、是非参考にして頂けたらと思います。
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